MFM事業実行委員会について

モッキンバードファミリーモデル事業実行委員会とは

私たちは、新しい里親家族支援の仕組みを日本に紹介するために結成された団体です。この仕組みは、深刻な子どもの虐待と里親養育の増加により、子どもの養育に関する多くの課題を抱えた米国ワシントン州で考案された実践です。その名前は、“モッキンバード・ファミリー・モデル(MFM)”。これは、具体的には、地域のベテランの里親家庭とその家庭につながる6~10家庭を一つのグループとし、グループ内での交流や子どものレスパイトを行い、それを児童相談所などの公的機関が支えるという仕組みです。この仕組みは米国・英国内で実践されていますが、日本ではまだ行われていません。私たちの団体は、2016年4月にプロジェクトチームを立ち上げ、活動を続けてきました。

厚生労働省は家庭養育を優先とすることを明言し、2016年5月に児童福祉法の改正を行いました。こうした政策の下、里親や委託されている子どもへの支援は年々増加し、里親家庭への子どもの委託率も上昇しています。その一方で、支援に関する課題や個別の家庭の抱える問題が次々と顕在化しているという現実があります。里親家庭における養育の質は、もはや看過できない課題です。
   
里親への効果的な支援と子どもの安全な養育に対して、課題のひとつと考えられるのは、公的な支援機関と里親家庭の間にある単線的な関係です。これまで、公的機関(児童相談所や里親支援機関)は、里親家庭には一対一かつ一方向による支援を行ってきました。もちろん、ケースワーカーが各家庭を個別に支援することは必要ですが、それだけでは、公的機関と里親家庭の関係は、支援者と被支援者という関係を越えることができません。こうした中で、支援者の負担はますます増大し、被支援者の不安や不満はあまり解消しないという残念な状況が続いています。
   
MFMは、こうした課題を克服する可能性を持ちます。この仕組みでは、養育者同士、子ども同士が地域の小規模なネットワーク(6~10家庭)の中で、ベテラン里親家庭を中心として、互いを支え合うことができます。そして、公的な支援機関は、中心の里親を通して、ネットワーク内のすべての家庭のより詳細な状況を把握することができ、いち早く問題を解決することができます。また、公的機関は、ネットワークそのものを支える役割を担うため、各家庭はベテラン里親家庭からも公的機関からも支援を受けることができます。グループ内の養育者は、親族のような親しい関係の中で安心して子育てを行うことができるだけでなく、相互扶助を行うことができるのです。米国では、この仕組みは里親家庭の支援に用いられていますが、仕組み自体は柔軟で、地域の養育に課題を抱える家庭の支援にも応用が可能です。
 
私たちは、この仕組みの日本での導入を目指しています。


委員会メンバー

和泉広恵 (委員長)
NPO里親子支援のアン基金プロジェクト/日本女子大学
粟津美穂 (副委員長)
IFCA
峰下 拓
IFCA
藤めぐみ
レインボーフォスターケア
池田佐知子
福岡大学
石川桂子
会社員
木ノ内博道
元全国里親会副会長
木ノ内まさ子
千葉県里親
小林由香里
愛恵会乳児院・里親支援専門相談員
光武郁子
佐賀県里親委託推進員
坂間多加志
ふじ虹の会
坂野嘉昭
流通経済大学

モッキンバード・ファミリー・モデルと私たちのあゆみ

2008年
5名によるシアトル視察研修実施(アレンジ:粟津美穂)
・モッキンバード・ファミリー・モデルについての説明を受ける
・ハブホームの月例会に参加
2013年
7名によるシアトル視察研修実施(アレンジ:IFCA)
・モッキンバード・ファミリー・モデルについての説明を受ける
・ハブホームの月例会に参加
・モッキンバードの日本での実現についてのミーティング
・モッキンバード・ファミリー・モデルで育った少年の経験を聞く
2015年
モッキンバード・ソサイエティでのフィールドワーク(調査者:和泉広恵)
・モッキンバード・ファミリー・モデルの月例会、コンサルテーションミーティング、ハブホームミーティングや、スタートアップのミーティング等に参加
2016年
モッキンバードファミリーモデル事業実行委員会設立
・モッキンバードソサイエティのディレクターを含めたスタッフ3名を日本に招聘
・東京、水戸、大阪で講演会を実施
・来日メンバーと複数地域の自治体職員、厚生労働省、日本財団等との会合

モッキンバードファミリーモデル事業実行委員会は、IFCA(インターナショナル・フォスターケア・アライアンス)とNPO法人里親子支援のアン基金プロジェクトの支援のもと、自治体、里親家族、児童福祉の専門家と協力し、日本の社会的養護の改善・改革を目指しています。この委員会は、米国ワシントン州の非営利団体、モッキンバード・ソサエティから日本にMFMを導入する中心的な組織として公認され、継続的な支援を受けています。