アスベストが引き起こす病気(中皮腫、肺がんなど)について

 かつてアスベストはその優れた断熱性などから建築物に多く使われてきました。しかし今ではその使用は禁止され廃棄処理も極めて厳重に行われるようになっています。
 これはアスベストを吸引する事で肺がんや悪性中皮腫などの肺疾患を引き起こすからです。
 ここではアスベストによって発生すると考えられる疾患について述べます。

アスベストが引き起こす病気

 アスベスト(石綿)が引き起こす病気には中皮腫、肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚などがありこれらは石綿健康被害救済制度の対象疾患となっています。

中皮腫

 肺や心臓、胃腸などの臓器は薄い膜で覆われています。この膜が中皮と呼ばれています。
 この中皮に発生する癌が中皮腫で肺を覆う膜に発生する中皮腫は胸膜中皮腫と呼ばれます。中皮腫はほとんどが石綿を吸った事によって発生します。最初に石綿を吸ってから中皮腫が発症するまでの期間(潜伏期間)は40年以上と非常に長く、10年未満の例はありません。発生の危険性は石綿を吸入した量、期間を掛けたもの(累積ばく露量)が多くなるほど高くなります。ただし肺がんなどに比べると低濃度のばく露で発生する危険性があります。なお喫煙によって中皮腫の発生リスクは(後述の肺がんと異なり)高くならないと考えられています。

肺がん

 肺の気管支、肺胞に発生する癌が肺がんです。中皮腫と肺がんはよく混同されますが全く別の疾患です。中皮腫とは異なり石綿以外の原因でも発生します。発生までの潜伏期間は30年以上と長く、中皮腫と同じく累積ばく露量が多くなるほど高くなります。
 肺がんの原因の多くは石綿ではなく喫煙ですが、石綿を多く吸入した人が喫煙を行うと肺がんの発生リスクが高くなることが知られています。石綿による中皮腫は喫煙による影響をうけませんが、肺がんの場合はその危険性は非常に大きくなるといえます。